King's Gambit Wind Orchestra

進化と挑戦を続ける吹奏楽団

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《ヤントラ》打楽器とウインドオーケストラによる協奏曲 / 中村滋延

   

当団首席指揮者、久保田善則をソリストとして迎え、打楽器協奏曲「《ヤントラ》打楽器とウインドオーケストラによる協奏曲」を演奏いたします。エネルギー溢れる打楽器の技巧と響きをお楽しみください。また、15年ぶりの再演に際して作曲者、中村滋延先生より解説をいただきました。

本作品は1990年に創価学会関西吹奏楽団の委嘱によって同楽団と久保田善則のために作曲、同年大阪フェスティバルホールにて初演。その後1991年の東京現代音楽祭のために軽微な改訂を施して久保田善則と東京佼成ウインドオーケストラによりサントリーホールにて再演。その演奏はCD「現代日本の吹奏楽」(KOCD-4501/4502)にも収録されている。

タイトルの「ヤントラ」とはサンスクリット語によるもので、動的なパワーを図形化したものを意味する曼荼羅の一種である。本来のヤントラではその図形化は幾何学的な形象によってなされる。しかし、本作品では動的なパワーを音楽によって生じるものと捉え、その音楽をアモルフ(無定形)な形象に図形化することで構想した。一種の図形楽譜である。その図形の音楽的意味を確認しつつ、図形を変化させては構想を膨らませた。最終的にその図形を演奏用に五線楽譜化した。

曲はおおまかには急―緩―急の3つの部分から成る。音による動的パワーの主体は反復であり、反復の主体は打楽器である。反復は結果としてヤントラに関係する密教の読経のようにきこえる箇所をいくつか生じさせた。(中村滋延)


中村 滋延(NAKAMURA, Shigenobu)

1950年生まれ。作曲家、九州大学名誉教授。相愛大学客員教授。交響曲5曲を含む100曲以上を作曲。加えて映像やコンピュータを取り入れたメディアアートも制作。音楽や映像芸術に関する著述・論文・評論等の文筆活動も積極的に展開。現在、大阪府高槻市在住。

作曲家オフィシャルWebサイト: http://nkmr1950.sakura.ne.jp/wp (こちらでは中村先生ご自身によるさらに詳しい解説もご覧いただけます。)

 

 - 7th定期演奏会, Program