King's Gambit Wind Orchestra

進化と挑戦を続ける吹奏楽団

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打楽器アンサンブル

   

本演奏会では、久保田善則をソリストに迎えた打楽器協奏曲に加え、当団打楽器奏者による打楽器アンサンブルのステージも同時開催!4つの個性的なアンサンブルをお楽しみください!

木片のための音楽 / S.ライヒ

本作品は1973年にスティーヴ・ライヒによって作曲されたミニマル・ミュージックの代表的な作品です。ミニマル・ミュージックとは、単純な音型を、反復しながら緩やかに変化させていく、現代音楽の1ジャンルです。曲はまず高音の木片でメトロノームのような一定の拍が刻まれ、そこに4人の奏者が1人ずつ加わりながら進行していきます。メロディはなく、一定のパルスの中で、音が並び、集まり、遠ざかり、再び始まり…リズムは徐々に切迫していきます。時間の流れや音の広がる空間を感じながら、木片の響きをお楽しみください。

エイト・トリオ より第2、7楽章 / B.オスカー

本作品は、もともとスネアドラム、3台のトムトム、3台のティンパニを3人の打楽器奏者で演奏する8つの小曲からなるシンプルな打楽器アンサンブルです。作曲者のバラツ・オスカーは、バルトーク音楽学院で研鑽ののち、ハンガリーで音楽教師、楽器メーカー、作曲家として活躍していました。シンプルな編成でありながら、トルコなど東欧からの由来を感じさせるパワフルかつ複雑なリズムで全曲が構成されています。7つの膜質系打楽器が揃えば演奏できる手軽さもありつつ、高度なアンサンブル能力と集中力が必要な奥深い面白さがあり、打楽器アンサンブルの入口としても大変オススメの曲です。本演奏会では全8曲の中から、第2楽章、第7楽章の2曲をお送りします。

トリオ・パー・ウノ より第1楽章 / N.J.ジヴコビッチ

トリオ・パー・ウノは1995年に作曲され、1999年に改訂、同年ハッセルブルクのシュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭で改訂初演されました。曲名を意訳すると「三位一体」といったところでしょうか。三人の打楽器奏者が同種の打楽器を扱いながら緻密に音を重ね合い、一つの音楽を形成していく三楽章構成の曲となっています。本演奏会で演奏する第1楽章にはメロディアスな楽器は使われていません。横に寝かせたバスドラムを三人の奏者が囲み、常に一定のテンポで駆け抜けるように太鼓と金属楽器を乱打していきます。儀式を連想させるような交錯するリズムに注目してお聴きください。

マリンバのための「リーズ」 / 加藤大樹

本作品は音楽大学大学院の卒業生4人によって2017年に結成されたマリンバカルテットグループ「Liz Marimba Quartetto」の委嘱により作曲されました。マリンバの暖かくも力強い音色を存分に活かしながら、グレゴリオ聖歌「アヴェ・マリア」のフレーズが随所に現れることで、どこか神聖な雰囲気を感じる曲となっています。つい、口遊んでしまう様な優しいメロディを通じて、マリンバという打楽器の魅力を存分に感じていただければ幸いです。本演奏会では3台のマリンバを使用し、六重奏版を演奏します。

 

 

 

 - 7th定期演奏会, Program