ディズニー・ヴィランズ・メドレー / ジブリ・メドレー
2018/11/13
第6回Your Concertの始まりは、皆様にもなじみが深いアニメ映画の二台巨頭、ディズニーとジブリ二つのメドレーから始まります。
もちろん、両者ともに映画本編と同じくらいに音楽への評価が高く、吹奏楽への編曲機会も多い作品ではあります。
が、そうそう単純にはいかない当団・ギャンビット。今回のユアコンでご用意したのはその中でも珍しい編曲シリーズなんです!
それでは、指揮者による解説をどうぞ。
ディズニー・ヴィランズ・メドレー 指揮:岡崎 正悟
今回の演奏会のオープニングは、楽しい楽しいディズニーメドレー!…ではなく、ダークな悪役たち=ヴィランズのテーマを集めたメドレーです。冒頭の《悪役たち》の音楽を主題とした『ロンド形式』のメドレーをお届けします。特定の物語には沿わず、様々なキャラクターのテーマ音楽が垣間見える、パレードのような構成となっています。
登場する曲は、《悪役たち》と以下の4つです。
●グリム・グリニング・ゴースト
東京ディズニーランドの人気アトラクション“ホーンテッドマンション”の後半部で幽霊たちが歌う曲です。
●禿山の一夜
クラシック音楽が満載な『ファンタジア』の映画で使用された曲です。ロシアの作曲家ムソルグスキーの交響詩で、彼の代表作でもあります。スラヴ神話に登場する死神が現れるシーンの音楽です。
●哀れな人々
映画『リトル・マーメイド』に登場する海の魔女・アースラが歌う曲です。美しくも、どこか寂しい感じが漂います。
●悪魔たちの饗宴
最後はヴィランズ大集合!先ほどのアースラに加え、『アラジン』の宮殿にいる邪悪な大臣・ジャファー、『眠れる森の美女』の最強の魔女・マレフィセントなど、個性豊かな悪役たちが登場します。
ところで、少し前ですが、眠れる森の美女のリメイクとして、魔女の視点から描かれた映画『マレフィセント』が公開されておりました。ああいうのを観ると、悪役にもドラマがあって面白いなぁ、と思います。というより、そもそも、『魔女すなわち悪者』というイメージがこびりついてるからそういう風に見えるんですよね。悪者でない魔女の物語…それは、演奏会後半の『サガ=キャンディダ』にて。
ジブリ・メドレー 指揮:山本 安貴子
吹奏楽の曲の中でも、スタジオ・ジブリのアニメ作品の曲を使用したメドレーはたくさんあります。その中でも今回は、久石譲氏が作曲した曲を真島俊夫氏が編曲したメドレーを演奏したいと思います。
このメドレーの構成は以下の通りになっています。
鳥の人(『風の谷のナウシカ』より)/ 海の見える街(『魔女の宅急便』より)/ あの夏へ(『千と千尋の神隠し』より)/ ナウシカ・レクイエム(『風の谷のナウシカ』より)/ 君をのせて(『天空の城ラピュタ』より)/ アシタカせっ記(『もののけ姫』より)
●鳥の人
『風の谷のナウシカ』のエンディングテーマでもありますが、作中にも色々な場面で使用されています。ナウシカがとても気持ちよさそうに空を飛んでいるところが目に浮かびますね。
●海の見える街
魔女見習いのキキが修行に選んだ場所は自分の家のある街とは違う、海の見える大きな街でした。キキがこの街を見つけた時の期待を表しているためか楽し気で明るい曲になっています。この曲ではユーフォニアムのソロが登場します。
●あの夏へ
『千と千尋の神隠し』のオープニングで使用されている曲です。同じ原曲をもとに『いのちの名前』という歌詞のある曲も作られています。『あの夏へ』はとても懐かしい気持ちにさせるやさしいピアノが印象的です。
●ナウシカ・レクイエム
ナウシカが傷つき、倒れた時に王蟲(おうむ)によって癒してもらうシーンで使用されています。レクイエムの名の通り、暗い曲調になっています。
●君をのせて
『天空の城ラピュタ』のエンディングテーマとして有名ですね。合唱の曲として歌ったことのある方もおられるのではないでしょうか。この曲ではトランペットのソロが登場します。
●アシタカせっ記
『もののけ姫』のエンディングで流れる曲です。アシタカせっ記の『せっ記』は造語で、『人々の耳から耳へと語り継がれていく物語』という意味だそうです。宮崎駿監督がアシタカせっ記について書いた詩で、
『せっ記とは
草に埋もれながら 耳から耳へと語り継がれた物語のこと
正史には残らない 辺境の地に生きた ひとりの若者のことを 人々は いつまでも忘れずに語り継いできた
アシタカと呼ばれた その若者が いかに雄々しく 勇敢だったかを……
残酷な運命に翻弄されながらも いかに深く 人々や森を愛したかを……
そのひとみが いかに澄んでいたかを
山に生きる 忍耐強い人々は つらい暮らしの中で
くり返し くり返し 子供等に語り継いだのだった
アシタカのようにおなり
アシタカのように生きよ と……』
というものがあります。この詩を頭に浮かべながら曲を聴いていただけると嬉しいです。